予習復習のポイント

予習・復習のポイント

中学へ上がる前にこれだけはやっておきたい!

はじめに

中学入学時は、勉強内容や生活リズムが大きく変わるタイミングです。小学校と比べて勉強の難易度が上がることから、中学入学後に成績が下がってしまうお子さんも少なくないでしょう。こうした中で成績を向上させるためには、小学生のときから中学校の学習環境に対応できる準備を進めておくことが大切です。

そこで今回は、中学上がる前にこれだけは進めておきたい予習復習と保護者の方が進めておきたい準備のポイントについて解説します。

中学入学前これだけは復習しておきたい知識

中学1年生の授業内容は、小学校で学ぶ知識と関連する点が多数あります。中学校で新しく学ぶ内容を適切に理解するためにも、よく復習しておくことが大切です。ここからは小学生の間に復習しておきたい知識を科目別に紹介します。

国語

漢字の読み書きが大切

中学校では、小学校卒業レベルの漢字の読み書き能力を前提に授業が行われます。特に国語の科目では、文章読解や記述問題などにおいても漢字の読み書きが要求されます。こうした能力は国語以外の科目にも通じる部分であるため、中学に上がる前に押さえておきたいことの一つです。語彙力や文章読解力は短期間での習得が困難な分野なので、中学生になるまで時間的な余裕がある場合には継続的に勉強を積み重ねておきましょう。

なお、国語の勉強を進める際には教科書や問題集を使うほか、本やニュース番組などを通しても語彙力の向上が期待できます。わからない言葉を見聞きした際には調べる習慣を付けるなど、日頃から意識づけておくと良いでしょう。

算数

中学で多様する分数と文章題が重要

中学校では科目名が算数から「数学」になり、分数や文章問題などが授業内容に多く取り入れられるようになります。また、2021年には教科書が改訂されたことで文章や図を用いた問題が増えており、文章題への対応能力が重視されるようになりました。この文章読解力に関しても、国語と同様に数学以外の科目にも応用できる能力であるため、ニガテ分野である場合は教科書や問題集などを用いて繰り返し対策しておきましょう。

英語

英語習ってきた英単語の復習

中学で学ぶ英文には小学校で学んだ英単語が頻出するため、進学前には小学校で習った英単語を復習することをおすすめします。また、中学校での新出単語を学んだり、習った英単語で英文を構築したりする授業もあるため、単語力を磨いておくことでよりスムーズに授業についていけるようになるでしょう。

なお、2020年からは小学3年生から英語学習(外国語活動)を行う要領が定められました。それに伴い、近年は中学校で学ぶ英語の水準も高まってるため、早いうちから準備をしておくと安心でしょう。ちなみに英単語の暗記だけでなく、小学生向けの学習ネット動画や教育番組を視聴することも、読解力やリスニング・スピーキング力向上につながります。英語は単語の意味がわからないと成績が伸びづらい教科なので、単語の復習を主体に進めてみましょう。

社会

社会歴史と地理に対する理解が大切

社会科目では世界史やSDGsといった学習内容が追加されており、小学校の授業と比較して情報量・学習範囲ともに増えていることが特徴です。特に社会系科目は記憶力が要求される分野が多く、成績を伸ばすには学習内容に対する興味と理解が必要になります。そのため、中学入学前には社会の教科書を読み返したり、SDGsに関する書籍やニュースなどを見たりすることで学習内容に興味を持つように心がけてみましょう。

また、中学校では日本史における時代の流れや各都道府県の位置関係等を知っている前提で授業が進みます。中学校の授業に対応する準備として、上記2点は中学入学前に復習しておくことをおすすめします。

理科

理科ニガテ分野の克服が大切

2021年に新学習指導要領が改訂されたことで、中学校の理科では課題に対する分析や探求などを行う能力が重視されるようになりました。一例としては実験用具の使い方や実習の進め方や実験結果に対する分析や振り返りなどを、生徒が自ら考える能力が重視されます。学習内容への興味を持って考えることが要求されるので、理科の実験や化学変化などに興味が薄いと学習が滞ることが考えられます。

理科がニガテ科目である場合、興味を持てる範囲で教科書を読み返したり身近な化学現象に興味を持ってみたりするなど、楽しみを感じられるものから取り組んでみるのが良いでしょう。学習内容に対して疑問や興味を持つことで授業にも前向きに取り組みやすくなり、理科の勉強をする際のモチベーションも保ちやすくなるはずです。

中学入学前これだけは予習しておきたい知識

中学校の勉強を効率よく進めるためには、予習が非常に重要です。事前に学習内容を把握しておくことで授業での内容理解が深まるほか、授業で適切な質問などがしやすくなり、学習姿勢などの面での評価も高まりやすくなります。

生徒自身も授業の理解が深まることで自信がつきやすく、モチベーションアップにもつながるでしょう。
ここからは、中学生になる前の準備として押さえておくべき予習のポイントをご紹介します。

数学

「負の数と文字式」を予習しよう!

■数学の授業では過去の学習内容を活用する機会が多く、授業で理解できない内容があると次回以降の授業も理解しづらくなります。授業内容の予習復習を入念に進めておきましょう。

■小学6年生の冬休みや春休みなど、比較的時間に余裕があるタイミングで中学1年生の内容を一部予習しておくのもおすすめです。

■負の数、文字式の知識は連立方程式や二次方程式といった形で中学2・3年生の数学でも活用されるので、早い段階で予習するメリットがある分野です。

英語

「中学1年生で習う読み書き」を予習しよう!

■中学1年生では小学校で習った英単語に加えて、新しい英単語・英文法を勉強することが一般的です。入学前の予習として、1年生での新出単語を学んでおくと授業に対応しやすくなります。その際は、中学校英語の教科書準拠版を参考にすると良いでしょう。

■中学校の英語授業では、3年間で約1,600~1,800語の英単語を習うとされており、小学校で習う600~700語から2倍以上の英単語を学ぶことになります。

■2021年度からは中学校で学ぶ英文法の種類も増えており、英語の読み書きに関する知識が重視されます。小学校での英語は会話能力の育成が重視されており、重視する能力が中学校での英語と一部異なります。

中学入学前これだけは準備しておきたいこと

中学校は、授業の進め方や放課後の過ごし方が小学校と変わる場合が多く、入学直後は環境変化に慣れないケースも珍しくありません。対策として、学校外での勉強習慣を付ける方法や環境変化に慣れる工夫など、中学入学前に準備しておきたいことをご紹介します。

予習復習に適した問題集をそろえる

小学校と比較すると中学校は授業の進み方が早いこともあり、授業内容を理解するための予習復習が重要になります。そして予習復習を行う際には学習範囲に沿った問題集を揃えることが重要です。本屋で問題集を探す際には使う問題集をお子さんに選ばせるなど、モチベーションを保ちやすくなるよう工夫すると良いでしょう。親御さんが選ぶ場合には子どもの学力と問題集の難易度や、練習問題と解説のわかりやすさなどを基準にすると適切なものを選びやすいです。

問題集を選ぶ時の注意点

お子さんの性格や、学校で出される宿題量によっては学校外での勉強が負担になってしまうことも考えられます。予習・復習が負担になりそうな場合には手軽さを重視した問題集を選び、少しずつ学習を進めると良いでしょう。

勉強の習慣を身に身に付ける

中学校では、前回までの内容を覚えている前提で授業が進むことが多く、授業外で予習復習をしていないと授業に対応しづらくなります。そのため、中学入学前に勉強習慣をつけておくことが成績アップの鍵になります。

ちなみに授業外で勉強習慣を付ける方法として、勉強を行う場所や時間を決めて取り組む方法などがあります。日常生活に勉強時間を組み込むようにすると自然な形で継続しやすく、無理なく習慣付けられます。

環境の変化に対応できる体力をつける

中学校に上がった直後は、授業量の増加や部活動など生活環境の変化が大きく、心身ともに負担が掛かりやすい時期です。そうした中で部活動や授業と別に活動時間を確保するには勉強を効率的に行う工夫をしなければなりません。

一方で、入学直後は学校生活への対応を優先することも一つの選択肢です。特に睡眠不足や空腹などは、集中力を低下させる要因にもなり勉強効率にも影響します。生活リズムを整え、まずは勉強を続ける体力をつけるという意味でも、睡眠時間の確保や栄養バランスが取れた食事を心がけましょう。

内申点を入試についてお子さんに教える

都道府県や学校によって評価基準は異なりますが、中学校での成績は内申点として高校入試に影響します。進学先についてお子さんから要望があったり、親御さんの方でお考えをお持ちの場合、早い段階で内申点の仕組みと高校入試についてお子さんに説明しておくことをおすすめします。

入試では内申点の高さが合否判定に影響し、受験する高校で目安とされる内申点を下回っていると、合否判定にマイナスに作用してしまうでしょう。都道府県によっては中学1~3年生の成績が内申点に影響する場合もあるため、進学先の目標がある場合は早い時期から対策を行うことが志望校合格を目指すポイントです。

内申点について

内申点は中間や期末テストの成績、提出物の内容や授業態度などによって決まる点数です。中学校での内申点は、一般的に135点満点で9科目の授業成績を基準として算出されます。

おわりに

中学校では小学校で学んだ内容が基礎になっている科目が多く、中学入学前に各科目を復習しておくことで入学後の授業を効率的に理解しやすくなります。

特に数学・英語などは授業内容の幅が広がっているので、時間に余裕があれば予習を進めておきましょう。今回ご紹介した情報をもとに、中学入学に向けた予習復習を効率的に進めてみてください。

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